阪本美知子さんを迎えて

10月3日、「なら・未来」サロンを開催しました。今回のゲストは、7月の奈良市議会議員選挙で初当選された阪本美知子さん。立候補の動機や初議会の感想など、率直に語っていただきました。以下はそのリポートです。

●開催日時/平成29年10月3日(火) 午後6時30分〜8時30分
●会 場/奈良市ボランティアインフォメーションセンター
  (はぐくみセンター1階 会議室)
●内  容/タイトル「新人議員奮戦記」
      報 告 者 奈良市議会議員 阪本美知子さん
      概  要 今春実施された「奈良市議会議員選挙」に63歳にして一念発起して初めての立候補をされ、見事に初当選をされた阪本さんより、出馬の動機や初めての議員活動の諸々を語って頂いた。
 ●プロフィール/1978年 神戸大学卒業(文学部)
         1979年 市立保育園 臨時保育士
         1981年 自治労奈良県本部職員
         2015年   〃     退職
         アイ女性会議なら事務局長(男女平等の社会づくり)
         わたしたちの24条の会 事務局
         奈良脱原発ネットワーク会員
         無料塾送迎ボランティア・グリーンあすなら会員
          並河市長の風俗利用問題にも関わったなど女性問題、女性の虐げられた環境などを改善するために取り組んできた。

1 市議選立候補の経緯
  漠然とした不安感や将来への不安などをどうして解決すべきかについていつも考えてきた。
  そこで到達したのが、市議会議員としての活動に参画すること。
   掲げたメッセージは「市民のための政治」〜でも何が論争になっているか分からない
   何を訴えようと考えたのが 次の三つ
   ? 女性の政治参加
   ? 子育て支援
   ? 働く人が大切にされる社会づくり

2 テーマとして掲げた政策
 1) 女性の政治参加    
   女性の政治参加は世界154位 〜 女性の政治参加は世界でも最貧レベルでこれの改善
   少ない女性議員 
   衆議院の女性国会議員 475名中 45名( 9.5%)➜ これが154位
    ちなみに今回の衆議院選挙(2017/10月)では、女性議員47人10.1%)に微増
奈良市議会 6人/39人中(15.4%)
   ●議案の60%が女性が関係する議案 ➜ 
    女性議員が増えると政策の優先順位が変わる
    これまではマイノリティ(車いすの議員も今回誕生し、障害者の優先順位が変わった) 
 2) 子育て支援
   ●持続可能な社会に向けた普遍的な政策であるが、世界一低い日本の教育への公的支出
    (対GDP比 日本は最下位)子どもの貧困率が上昇を続けている。
 3) 働く人が大切にされる社会
   課題は ?世界的に見ても長い日本の労働時間 
       ?非正規の割合が40%
   ?働き改革も安倍政権は取り組まず 

3 議員活動の現状
 1)新人議員が9名誕生 会派は6会派と無所属に
   自民党・結の会8名  公明党7名  共産党6名  改革新生会5名
   維新の会 3名  市民の声奈良 3名 無所属 7名  計39名
2)9月議会の争点
  ●新斎苑の事業方式
   ・民間のノウハウを活用するDBO方式を採用したい(「DBO(デザイ ン・ビルド・オペレート)方式」は、設計・建設と運営・維持管理を民間事業者に一括発注するもので、公設民営の一つの方式)
・債務負担行為は76億円の補正予算で 向こう15年間の長期契約とな る。
   ・周辺住民の反対〜15年長期契約への不安、現職員の処遇などが問題
→議員の関与度合いが低くなることなども一部議員の反対
  ●クリーンセンター 
   ・市長は現施設の移転は断念 → 任期中に候補地を決めると明言
    維持費は年間10億円程度の現状
  ●待機児童対策
   ・4月現在 163人の待機児童
    保育士不足により公立園の充足率が定員を下回っている。
  ●その他
   ・経常収支比率が 100%を超えた→要因は収入の交付金が大きく減少
   ・下水道の委託費も上昇
 3)新人議員として思うこと
  ◆二元代表制ということ
   住民は、議員と首長を選ぶが、役割は全然違う。
  ◆期数が幅を効かせる
   何期やったか、長い人が幅を効かせる 
  ◆議員は暇というウソ
   遊んでいるという話をよく聞くが、そんなことは無い
   市長提案をイエスorノウというか、議員の勉強がとても大切で、とても忙しいのが実感
  ◆無所属議員の力が大切

4 参加者からの質問
 Q 女性の社会参加、女性の議員を増やしたい。そのためにどうするか
 A 女性議員の増加については、クオーター制(割当制)を採用して、女性何人と予め決めておく。フランスは50%を目指す活動を展開している。日本は供託金も高い。
 Q 女性の比率を増やすことは賛成も、今のやり方ではダメ。女性議員を増やすには普通の政策の話をして勝ち上がってこなければ女性議員は増えない(男女比で議員の数を述べるのはナンセンス、サラリーマン多いのにサラリーマン議員の割合が少ない)。
   
 なお、質問については、要望などの側面の強いものが多く、また質問内容も議員歴が浅い現状では的確に答えられるものも限りがあるため、メモした事項などを以下に掲載する。

 Q DBO方式の視察の成果は
 Q 政務活動費をどのように使っているか
 Q 会派を超えて議員の正しい方向を導き出す提案を市民に示して欲しい
 Q 民進系の会派に誘われたと思うが何故無所属か
 Q 国会の物まねをやっているのでないか、議員として集約、意思統一をすることが市町村議会の役割でないか。細かいことを奈良市議会はやりすぎている
 Q 他市町村との議員間の交流をして欲しい
 Q 投票率が50%しかないことが問題。自分の都合の良い人のみ集めたら当選することがどうか
 Q 市政を分かりやすく市民に伝えることを議員として活動して欲しい
 Q 市民ニーズや直面の課題を中心として活動することの他に、中核市の中で各種指標の下位ランクが何故生じているか、過去の市政や議員の資質などもしっかり見つめて市政運営にコミットする行動も期待したい。