「第1回 議会改革市民会議」を開催しました

nara_mirai2011-10-30



本日、10月30日(日)、ならまちセンターで「第1回 議会改革市民会議」を開催しました。市内では正倉院展も始まり観光シーズンまっただ中ですが、この日はあいにくの雨。センター併設の図書館も閉まっていたせいか、休日らしからぬ落ち着いたムードの中、ひっそりと、しかし、今回も熱く、市民会議の第1回目がスタートしました。奈良市・内外の市民と議員、30名ほどの参加がありました。


  • 奈良市議会 議会改革制度検討特別委員会」報告 奈良市議会・北村拓哉議員


前半は、北村拓哉議員による特別委員会の報告。北村議員は会派としては日本共産党奈良市会議員団の所属ですが委員会の委員(代表)としての立場で現在までの進捗状況をお話いただきました。



この特別委員会は、全国的な議会制度改革の流れに加え、奈良市においては6月議会の役員改選で議会改革の必要性が認識され、設立されることになった、とのこと。12人の委員から成り、第1回目の7月1日より月に1回のペースで開催。市民への透明性を高めるため、傍聴が可能に、また、進捗状況や資料の公開も迅速にホームページで行われています。合意形成は、全会一致が原則ですが、案の持ち帰りによる再検討を経てもまとまらない場合は、委員会条例第17条による多数決で決定する、ということです。


北村議員からは、「これまでに決定した項目」、「一部が決定した項目」、「現在検討中の項目」、「今後の検討課題」と分けてお話いただきました *1



「これまでに決定した項目」は、

  • 議会事務局の担当事務の見直し 
  • 委員会におけるペットボトルの廃止 → 幹事長会議へ申し送り
  • 議会だよりの改善 →11月号より「質問者名の掲載」、「賛否掲載」の実施 *2 
  • 本会議の「ホームページ広報」について → 「議案書」、「通告一覧表」、「時間」、「質問要旨」、「採決結果」のHP掲載
  • 本会議における傍聴人への議案書の貸出 →12月定例会より開始
  • 議会棟控え室の案内図の廊下への掲示 (今まで、案内が分かりにくかったので)
  • 委員会の「ホームページ広報」 →常任委員会の「日程」「各委員の質問予定日時」を委員会2日前までに掲載。
  • 本会議(中継)・委員会(中継とオンデマンド)のインターネット配信 → 12月補正予算で予算要求
  • 委員会における広聴人・参考人の積極的な活用への合意

「一部が決定した項目」は、

  • 傍聴の開放 →常任委員会の直接傍聴が、スペースの限度があるものの可能に。引き続き、傍聴規則案の検討。
  • 意見書の取り扱い →公開の場で協議することを決定。引き続き、担当する委員会、取り決め方法を検討。
  • 役員改選(正副議長選)の改革 → 立候補制とし、所信表明を行うことを決定。引き続き、手続きを検討。

「現在検討中の項目」の中には「奈良市議会議員の政治倫理に関する条例」、また、今後の検討課題としては「議会基本条例の制定」が挙げられています。次回の委員会は11月28日(月)午前10時から開催されますので、ぜひ、傍聴に、とのことです。



最後に北村議員より。

「わたしたち(共産党市議団)が、市議会の中で避けて通れない課題は、6月議会の議長選をめぐる買収工作・贈賄疑惑。議会は真相解明への努力をすることは重要。不透明で水面下の指摘されており、こうした議会の後進性を改革をねらい合意書を形成議長選に望んだ。最近でも、この疑惑については、メディアでも、引き続きとりあげられています」(※ 以下、2つの記事を引用)

ダイヤモンド・オンライン 大胆で単純な奈良市議会の「議長ポスト買収工作」規範意識を失った地方議会で改革気運は盛り上がるか  

覚書の内容は議会としてごく当たり前のことばかりであった。裏を返せば、これまでの奈良市議会はそれすら行っていなかったということだ。議会としてなすべきことをなさずにいたのである。議員は一体、どこを向き、何をしてきたのかと呆れるしかない。

奈良新聞WEB 金曜時評 議会の存在を問う
地方自治法第100条に基づく百条委員会の設置をこの機会に行い、関係議員の出頭やメモなど記録類の提出を求め、議会自身の自助努力で議長選工作の実態に迫り、黒白をはっきりすべきだと思う。


「わたしたち会派は、9月議会で100条委員会の動議提出を最終日に提出したが、われわれ会派のみの賛成であった。議会として全力を挙げることが、市民の期待に答え、再発防止につながるのではないかということを確信している。引き続き疑惑の解明に努力をし、特別委員会の前進にも力を果たして行きたい」とのことでした。続いての質疑応答でも、この点について「なぜ、100条委員会について、ほかの会派・議員は反対したのか」と質問が投げかけれましたが、北村議員は「その理由は、まさにわたしたちが聞きたい」との回答でした。



そのほか、質疑応答では、傍聴やスケジュール公開などについての要望が出されました。また、インターネット以外での議会広報については、参加された他市の議員さんより、ケーブルテレビ、文字放送の活用事例なども紹介されました。


  • ワークショップ「議会のあり方、今求められる議会改革とは!?」




後半は、3グループに分かれての意見交換。ポストイット(付箋)に、各自が思っていることを自由に書き、自己紹介をしながら説明。今回は、各グループには3名程度の議員さんも参加されており、市民、議員、それぞれの立場から、課題に思っていること、議会への期待や批判など、次々と意見が出されました。



・「議会が市民から見えにくく、市民の関心も広がらない」
・「現在の議会は、利益誘導型になっているのではないか。奈良市・全体の利益を考えてほしい」
・「市民の議会や議員に対する認識にも問題がある」
・「よりよい議員を選べるような、判断指標がない」
・「どのような議会を目指し、そのためにはどのような資質の議員が、どのぐらい必要か考えるべき」
・「現在の議会の制度にも問題がある。枠組みの問い直しも」

などなど...。





このように課題は山積ですが、言いたい放題で終わらせてはいけませんよね。よりよい「議会と市民の関係の実現」に向けて、市民も議員も、一歩一歩、学習の積み重ねが大事! 今後も政策研究ネットワーク「なら・未来」では、この議会改革市民会議を、月1回のペースで、第8回まで開催。市民会議での報告を元に、議会への働きかけも予定しています。


第2回は12月の予定ですが、日程が決まり次第、詳細を本ブログに掲載します。市民会議は、「市民の議会学習の場」、「市民の政策形成の場」、「市民の議員選択力を強化する場」をめざしており、今後も、より多くの奈良市民の方のご参加をお待ちしております♩


*1: 検討項目はチェックリストになっており、市議会HP「議会制度検討特別委員会 提出資料 」でも確認できます

*2:配布されたばかりの、11月1日付の「奈良市議会だより」。この号で、ようやく、どの議員が質問をしたのか、どの議員が賛成し反対したのか、明記されるようになりました!改革の成果が目に見えますよ。ぜひ、ご確認ください。