★「行政改革市民会議(第1回〜第4回)の概要」ができました。



今年(2012年)の5月から、全4回に渡って開催した「行政改革市民会議」の概要ができました。以下のリンクからダウンロードしていただけますので、ぜひともご覧ください。


行政改革市民会議全体概要-1.pdf 直







・・・といっても、講義+ディスカッションで3時間みっちり!の記録は、全34ページの分量^^;お忙しい方のために、概要の概要を、少〜しだけご紹介します!



★第1回 構造的な財政危機をどのように克服するのか?



財政危機を乗り越えた経験のある愛知県高浜市から、若き改革のリーダー、岡島正明さんをお迎えしました。

・公務員になってからこれまで、自分自身で汗をかいて新たな道を切り開くことを心がけてきた。協働することそのものが目的なのではない。協働することで、市民の方に喜んでいただけるような成果を上げることが目的。

・行政は基本的に前例踏襲しかできない。これに対して私はとにかく変えることが好き。(略)過去からやってきたことを何も変えなければ、効果のない事業も含めてどんどん積み上がっていくだけだし、職員も疲弊する。また、変えることによって市民が喜んでくれたり、市民から褒められるという体験をすれば、変えることに対するモチベーションが上がる。


民間企業出身の岡島さんの、快活さ、前向きさに共感を得た参加者も多かったのではないでしょうか。第1回のメインテーマは財政でしたが、岡島さんのような姿勢こそが、市民が自発的に協力をしようという気持ちになる鍵なのではないかー。そのことが、財政削減にもつながるのではないか。そんなことを考えさせられた回でした。



★第2回 閉塞する行政組織風土をどのように改革するのか?


モチベーション研究が専門の太田肇先生(同志社大学教授)にご講義いただきました。


公務員バッシングは市民にとって本当に利益になるのか?それよりも、職員にやる気を出してもらい、市民のために奉仕してもらうことが大事なのではないか。そのためには、「夢がある、自分の権限で仕事が出来る、ということが動機づけに」とのこと。公務員に限らず、共感のできる着眼点ですよね。


実現のためのポイントは、以下の4点。

①「やらされ感」の原因を取り去る
②前向きなモチベーションを引き出す
③認められる機会を増やす
④キャリアの天井を取り払う


また、ディスカッションでは、奈良市の連続不祥事についても質問が出ましたが、再発を防ぐには「ひとりひとりの仕事をオープンにすること」。逆に、不信、不透明、コミュニケーション不足が、組織をダメにし、市民にとって不利益を持たらす、と言えるかもしれませんね。



★第3回 市民参画と協働による自治体運営をどのように進めるのか?


豊中市の田中逸郎副市長にお越しいただきました。長年にわたって、市の協働政策を実践されてきた経験を元に、理念の部分から、具体的な制度設計のノウハウまでをお話いただきました。

行政には「公共サービスを提供する主体」としての役割に加え、今日では「多様な公共の役割の担い手をコーディネートする」役割が必要。この両方を担えるように「調整・合意形成・進行管理・評価・改善」することが自治体経営に求められており、そのために、今改めて「市民自治の確立」が重要といえるのではないか。


ディスカッションでは、奈良市の市民参画と協働は、全藤原市長時代よりも前進しているのだろうか、という疑問の声もありました。また、議員や職員の意識も変わらなければならない、との意見も。参加しない市民の声をどう反映させるか、形だけの市民参加が多いのでは、など。実行には困難さがつきまといますが、豊中市の先例に学び、前進したいものです。




★第4回 小学校区の地域自治(地域分権)の仕組みづくりをどのように進めるのか?


「なら・未来」のアドバイザーでもある中川幾郎先生にコミュニティ政策をテーマにお話いただきました。「協働型地域社会の元気・魅力アップ方策」は...?

・やるべきことを、地域社会/行政/協働の3層への仕分けする。
・町に縁側を作る。人が自然に集まるたまり場を。
・「見守りマップ」作り。
・地域に住む、他自治体の職員の活用。
・数が多く、エネルギーのある団塊世代に、今から働きかけをする。


「現状を分析し、10年後に向かっての展望を話し合わないといけな
い。もうそろそろ正念場だ」、「地域担当職員には、データ収集、分析能力、ファシリテーター能力、コーディネート能力、プロデュース能力が必要」とも。


自治会からの参加された方も多く、自主的・伝統的な「自治会」と法的根拠をもった「まちづくり協議会」とのあり方にも焦点が集まりました。また、自治会研究の第一人者・中田実先生にもご参加いただき、貴重なアドバイスをいただきました。




以上、4回分を駆け足でご紹介しました。
より詳しくは、ぜひとも「行政改革市民会議全体概要」をご覧ください。
行政改革市民会議全体概要-1.pdf 直


10月20日(土)には、「立ちあがろう 奈良市民!」と題して、いつもより大きめのフォーラムを開催します。基調講演は、尼崎市長の稲村和美氏。奈良市出身で小学生のお子さんを育てながら市政を担う女性市長です。ご参加、お待ちしております!



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