奈良市会議員立候補予定者の政策発表
奈良市会議員立候補予定者の政策発表
「第3回対話集会 マニフェスト発表と意見交換」より、各候補者の発表の概要を発表順にご紹介します。
※立候補予定者のマニフェストの発表内容は5 月25 日時点の内容で、最新のものではありません。ご注意ください。
1.馬出慎也さん
(1)発表要旨
・初めての選挙挑戦であり,完全無所属。
・しがらみのない公正公平で市民が主役の政治の実現を目指す。
・3つの「する」宣言
①市議会改革〜市民から信頼される議会にする
・二度と不祥事が起こらないよう公正な議会を目指す。チェック機能だけでなく行政への提案・問題提起ができる議会へ機能を高める。
・議会改革が進められているが,その流れを止めることなくもっと改革を進める。
・約束1…議員の資産を公開する
・約束2…市民が参加できる議会にする
②市役所改革〜市民から信頼される市役所にする
・職員の不祥事が繰り返されているが,その背景にはモラルに欠けた行動や不正を許す組織風土がある。
・組織内に目を向ける市役所から市民に目を向ける市役所への組織風土改革が必要。
・約束1…やる気,能力のある職員を積極投与する
・約束2…地域に出向いて市民と共に職員が問題解決にあたる仕組みづくりを考える
小学校区単位の地域づくり協議会にも職員が入って世話役を担うべき。
③財政改革〜子供や孫にツケを回さない財政にする
・奈良市財政は中核市の中でワースト。子供や孫にツケを回さないよう,市民参加で財政改革を行う。そのためにはまず市民と危機認識を共有することが必要。
・約束1…財政危機宣言を発表し,市民と危機を共有する
・約束2…財政再建プラン策定と再建シミュレーションを市民参加で行い,目標の共有をする
・3つの「する」を実現するために,約束したことが実行されているかどうか達成度の検証や評価をして,政治のPDCAサイクルを回す。
・「お願い」から「約束」の選挙で,市民サイドからの市政改革を進めていきたい。
・3つの改革についてはすべて市民参加を基本に進めていく。
(2)質疑応答要旨
(質問)現在奈良市では,能力考課や目標管理を取り入れた人事制度の改革を進めているが,これに対してはどう評価しているか。
(回答)議会は議会として,独自に人事評価の仕組みを提案していくべき。(質問)中期財政計画に基づく財政改革の取り組みが行われているが,これについてはどのような問題があると考えるか。
(回答)いちばんの問題は市民が奈良市の危機的な財政状況をほとんど知らないこと。高知市では財政非常事態宣言を出して,市民に詳しい情報を提供しながら財政再建に取り組んだ。奈良市もまず市民と行政が財政危機に対する認識を共有し,そのうえで再建のシミュレーションをつくることが大切だ。(質問)奈良市の議会基本条例では,議会からの政策提案を条例等にまとめていく政策形成プロセスの制度化が弱いのではないかと思うが,この点についてのお考えは?
(回答)まず議会報告会については,単に議会側からの報告に終わるのではなく,市民からの意見も聞くことを重視すべき。議会基本条例については,7月の選挙で議会構成が一新されるので,そこからの4年間でどう運用していくかが重要。その中で指摘されるような問題点があれば改善していくことも必要と思う。
2.酒井孝江さん
(1)発表要旨
・以下の12 件の政策を実現したい。
①「こんにちは赤ちゃん」訪問事業の充実を目指す
②中学3年までの医療費完全無料化を目指す
③中心市街地に重点を置いたまちづくりを進める
④待機児童の解消と学童保育の充実を目指す
⑤学校校舎の安全と緑化を目指す
⑥学校校舎の耐震化を早急に進める
⑦市役所職員の1%を母子家庭の母親とすることを制度化する
⑧別れた親子の面会交流と養育費の支払い促進を進める
⑨市民アイデアの公募を進める。特に若い親の声を市政に取り入れる
⑩地産地消を進める
⑪格差をなくし,今こそ平和を守る。そのため,奈良市で平和無防備都市条例を制定する
⑫脱原発を進める
・2年前の議長選をめぐる事件をきっかけに,議会改革が進んだ。それはその議長選で我々改革派が勝った
からだ。
(2)質疑応答要旨
(質問)エネルギー政策について,天然ガスを主力,自然エネルギーを補助的にということだが,その比率
を変えていくことが必要ではないか。
(回答)もちろん私もそう思うが,現時点では天然ガスに頼ることも仕方ないと思う。(質問)中学3年までの医療費無料化の財源はどうするのか。
(回答)むだなものを削っていくしかない。たとえば,奈良市は大金を投じて看護学校をつくったが,私は
一人だけそれに反対した。今現在でも看護師の資格を持っているのに働いていない人がたくさんおり,
それは看護師の待遇が低いから。看護学校をつくるお金で看護師の待遇を改善すれば必要な人数はある
程度確保できる。(質問)中心市街地に重点を置いたまちづくりを進めるということだが,自分としては奈良市に中心市街地
はないし,それが奈良市のまちづくりの難しさだと思っている。中心市街地とはどこを指すのか。
(回答)近鉄奈良駅周辺とか学園前の駅周辺とか,駅を中心とした施策を行うべき。それぞれの駅で特徴や
役割が違うので,それぞれの地域に合ったまちづくりを進めていく必要がある。歩いて生活できるまち
を目指したい。(質問)「こんにちは赤ちゃん」事業を充実するために,どのようにしてスタッフを確保するのか。
(回答)大阪府の子ども家庭サポーターのように,ある程度専門的な教育を受けたボランティアスタッフを
養成することも必要。(質問)別れた親子の面会交流促進・養育費支払い促進のために,どのような制度をつくったらいいのか。
(回答)東京に「ひとり親家庭支援センターはあと」という施設があり,昨年から実験的に取り組みを始め
た。これらの例に学んでいきたい。(質問)これまでの4年間で議員として何が実現でき,何が実現できなかったのか。
(回答)実現できたのは病児保育や児童自立援助ホーム。待機児童もゼロにはならなかったがかなり減らす
ことができたし,学童保育の時間延長も一部の学校で実現した。これを全校に広げていくには,この施
策に賛成する議員が増えてほしい。
3.畑山こういちさん
(1)発表要旨
・スローガンは「奈良が好き!奈良に住みたい!奈良で働きたい!そんな魅力ある『奈良を,取り戻します。』」
・奈良市の現状と市民のニーズを議会と行政に反映させることができる議員を目指す。
・奈良市の財政は債務超過状態であり,倒産寸前といっても過言ではない。無駄な支出を抑えることは必要だが,それによって市民サービスや経済活動が低下しては本末転倒。
・政策の柱は次の5点。
①生活への3R
・REBUILD…不必要な公共施設は取り壊し,必要な施設は再建築。特に焼却場と火葬場の建設を急ぐ。
・REGENERATION…精神的。道徳的な再建。地域コミュニティを再構築する。
・RETURN…奈良に帰りたい,暮らしたいと思う人を増やすため,経済の活性化・雇用機会の創出を
進める。
②お年寄りが安心して生活できる社会に向けての取り組み…「老活」(リタイア後の生活の充実)「孫活」
(第二の子育て)の推進。独居老人の孤独死対策や高齢者の健康増進に向けた取り組みを進める。
③少子化対策の推進…経済的にも環境的にも安心して出産・子育てができる取り組みを進める。
④環境への3R…リデュース・リユース・リサイクルを推進する。
⑤自然エネルギーへのシフトと二酸化炭素排出抑制…公共施設への風力発電・太陽光発電導入を進める。
自動車の利用抑制と自転車・公共交通の利用促進を進める。
・議会と市民がしっかり交流することが大切。ソーシャルメディアを利用して市民との交流を促進するような取り組みも進めていきたい。
(2)質疑応答要旨
(質問)クリーンセンターについては,現在絞られている候補地での建設を進める考えか。
(回答)どこに建設するにしても,地元との合意形成をもっとしっかりと丁寧にやっていかなければならない。また,どのような施設をつくるのか行政としてもきちんと広報していく姿勢が求められる。(質問)「精神的・道徳的な再建」とはどのような意味か。
(回答)高齢者の世代と子供の世代の交流によって学ぶことがたくさんあるのではないか。核家族化が進む中で,そのような交流の機会が減っている。行政としてそうした交流をバックアップする仕組みをつくれたらいいのではないか。(質問)現在の自治会・自治連合会を中心とした自治活動では不十分という考えか。
(回答)今は自治会そのものがない地域もあるし,あっても自治会の機能が低下している。(質問)環境の3Rについて,奈良市のごみ量はピーク時に比べるとかなり減っているが,この点について
どう認識しているか。
(回答)家庭系については分別収集が進んだことでごみ量が減っているが,事業系についてはまだ分別が進んでいない。特に飲食系の事業所から多くのごみが出るので,そのあたりの分別をしっかり進めていく必要がある。(質問)焼却施設についてのリビルドとはどのような意味合いか。建て替えでなく,財政支出を軽減するため今ある施設の改良を行うことは考えられないか。
(回答)そうした可能性も含めて,市民の皆さんの意見を聞きながら取り組んでいきたい。
当日の対話集会の概要は、
http://d.hatena.ne.jp/nara_mirai/20130624/1372236874
からもご覧いただけます。