【奈良市長選立候補予定者の政策発表(5月25日時点)ー池田慎久さん】


3.池田慎久さん


(1)発表要旨


<プロフィール>

奈良市議会議員として現在5期目。市民に最も身近な政治家でありたいという思いで活動してきた。
・地域をしっかり歩いて皆さんの声を受け止め,それを市政に反映させることを重視してきた。
・毎日市民の皆さんの声を聞いて,生活に対する不安や招来に対する心配をたくさんお寄せいただく。その1つひとつの問題を解決していくのが政治家の使命であり,その役割を担わせていただいてきた。
・今回,市のリーダーを目指すことを決意し,「子どもにツケを残さない!奈良改革宣言」というものを皆さんに提示させていただき,奈良市をよりよいものにしていきたいと考えている。



<基本政策>

・次の8つの柱を掲げている。盛りだくさんという方もいるかも知れないが,これらはすべてこれまでの活動の中で市民の皆さんから「こういった分野についてはこうあってほしい,こういったことができないのか」という現場の声を大切にしてまとめたもの。行政はある一方だけを見ていてはいけない。360度見渡して奈良市の発展や市民の安全安心をしっかり確保することが行政・政治の役割であると考える。


行財政改革の断行〜構造改革で市民満足度100%を目指す

奈良市の財政は待ったなし。議会でも,財政非常事態宣言を出し,市民の皆さんと危機意識を共有してこの状況を打開していくべきだと訴えてきた。また,職員の不祥事もたくさん出てきているが,市役所の職場風土の改革や職員の意識改革もしっかり行い体質改善を図っていきたい。また,リーダーが変わるので総合計画の見直しも市民の皆さんと協働で進めていきたい。市政の最終課題である行財政改革を進めるにあたっては,現場主義を貫き市民の皆さんとの対話を重視しながら,市民満足度の高い市政を目指していきたい。


②成長戦略による地域経済の活性化と雇用機会の創出〜中心市街地活性化と農業の再生

中心市街地については空き地がたくさん出てきており,そこにマンションが乱立するような形で計画がなされている。駅に近いということで市民のニーズがあることは承知しているが,中心市街地の活性化という面からマンションばかりがたくさんできるのはいかがなものかと考える。たとえばビブレの跡地にはホテルができるという期待もあり,実際に奈良市は観光地でありながら宿泊施設が非常に少ないと言われてきた。結果的に京都や奈良に宿泊客が流れ,地域経済がますます悪化しているのが現状だ。農業についても,地域のポテンシャルを引き出して活性化につなげていきたい。


障がい者・高齢者福祉制度の拡充〜誰もが住みやすいまちづくり
④教育改革の推進〜学力向上と健全育成の仕組みづくり
⑤地域医療・健康増進・子育て支援の推進〜生命と成長を支える

・③〜⑤については,市民の皆さんの関心が非常に高く,また今の奈良市の行政サービスに対して不満や不安を持っている方が非常に多いということを改めて知った。これらについては,一方通行でなくしっかりと市民の皆さんのニーズに合う政策を実行していきたい。そのためには財源が必要だが,これについては行財政改革をしっかり行うとともに,国とのパイプを持ちながら財政支援をいただいて,必要なサービスを提供していく。


⑥清掃工場・火葬場移転と温暖化防止〜美しい自然と生活を守る

・清掃工場(クリーンセンター)と火葬場,この2つの施設は,一般的には地域の皆さんにとって来てほしくない施設だが,必要な施設。この施設の建設を,しっかりと住民の皆さんと対話しながら理解協力をいただいて早期に実現していきたい。地球温暖化防止については,積極的に節電や環境問題に取り組んでいる方がいる一方,いやいやながら節電に協力している方も実際にはおられる。こうした問題が地域,日本,そして地球全体の問題であるという意識をお互いに持ちながら,奈良から温暖化防止の取り組みを世界に向けて発信していきたい。


⑦防犯対策と防災機能の充実〜家庭と地域の責任

オレオレ詐欺とか夜間の犯罪などに対して,地域でも取り組まれているが,こうした問題は市民の安全安心という観点から最も求められているニーズの1つと考えている。通学路の安全点検,街路灯の整備などにもしっかり取り組んでいきたい。
・また,南海トラフの巨大地震について今日の新聞でも報道されていたが,防災意識の高揚や減災対策にも取り組んでいく必要がある。地域コミュニティのつながりが薄くなっているということが言われるが,こうした取り組みを通じて「お互い様」の気持ちが強まると思う。


世界遺産をはじめとする歴史文化のい,いわば宿命的な産業。観光振興対策にも積極的に取り組んでいきたい。コンベンションなどもまだまだ少ない。大阪や京都,あるいは東京に負けない資源が奈良にしたくさんあるので,その資源を生かしながら多くの観光客に奈良を訪れていただく仕組みをつくりたい。

・自殺者が毎年3万人という大変な状況である。この問題に対して,今こそ奈良の役割があるのではないか。普遍的価値を発信して,そこに宿る精神文化の原点に触れていただくことで,人々を安心に導きたい。いわば祈りを私たちの心の拠り所として,奈良の新しい可能性を切り開いていきたい。
・具体的な政策集については6月下旬に発表したい。





(2)質疑応答要旨


(質問)総合計画の見直しは市民との協働で行うと話されたが,本気でそうする考えがあるのか。議会基本条例案については,市民参加を進める規定にすべて反対をされたと思うが。
(回答)市民参加での総合計画見直しは必ずやる。


(質問)ビブレ跡地でのホテル建設の話だが,営々と行われてきた高さ規制などを緩和してホテルを建設する案だったと思うが,規制緩和をしたら奈良の魅力がなくなってしまうのではないか。
(回答)規制緩和をすることによって地域経済の活性化につながる可能性があるのであれば,ぜひ議論をしていきたい。もちろん一方的に決めるということではない。


(質問)財政再建策の1つとしてごみの収集事業を民営化するということも考えられるが,組合側から「民営化に反対することを条件に市長選で支援する」と持ちかけられたらどうするか。
(回答)内容によって検討したい。


(質問)総合計画の見直し以外の政策についても,市民参加を積極的に進める考えか。
(回答)そのとおりだ。
(質問)それならなぜ議会基本条例で市民参加に関する条項に反対したのか。
(回答)市民参加を進めることに反対したのではない。議事録を見ていただければわかる。


(質問)子どもにツケを残さないということだが,どの年代の子どもまでに借金をなくすのか,考えを聞かせてほしい。
(回答)さまざまな要因によって変わってくる。具体的には精査中である。