まちかどトーク「総合計画と行財政改革」レポートーその2

12月25日の「奈良市まちかどトーク」のレポートです。昨日の「総合計画」に続き、今回は行政経営課「行財政改革」についての報告概要です。


レポートその2 「奈良市行財政改革について」(奈良市行政経営課



(1)行革とは何か *1

  • 経費節減だけでなく、市の事業・業務の効率と質を向上させ、市民が真に必要としているサービスを適切に提供すること。
  • 高度成長期までは人口増に比例して税収も伸び市民サービスも増大してきたが、現在の「近代成熟期」においては、少子高齢化・生産年齢人口の減少に伴い税収が減る一方、市民サービスに対するニーズは多様化・高度化している。これらの課題に対応するための方策が、1つは行財政改革であり、もう1つは新しい公共の担い手と共に公共サービスのあり方を見直すこと。

(2)奈良市の財政状況*2

  • 経常収支比率*3はここ数年にわたって95%以上のまま。
  • 平成24年度末の借入金残高は3001億円。ハコモノ整備の際に発酵した市債の元利償還金等の返済が重くのしかかっている。
  • 少子高齢化に進展に伴い、生活保護や児童福祉など住民福祉を支える経費である扶助費の支出が、右肩上がりで増えている。




(3)第5次行財政改革大綱 *4

  • 平成16年度からの第4次行財政改革大綱に沿って取り組みを進めてきたが、財源不足が明らかになったため計画期間の途中で総括し、新たに平成23年度から5年間を計画期間とする第5次行財政改革大綱を策定した。
  • 負の連鎖による財政状況のさらなる悪化(スパイラルダウン)を阻止し、継続的な改善による成長(スパイラルアップ)を目指す。
  • 改革の視点

    ・ヒト…人材を生かした行政経
    ・モノ…公共資産のアセットマネジメント
    ・カネ…持続可能な財政基盤の確立
    ・情報…透明度の高い行政経

(4)現在の取り組み

  

  • 平成23年度は事業仕分けから転換し「事業・業務の総点検」*5を実施。各課からのヒアリングと職員からの意見募集を踏まえ、各課固有の課題とともに全庁共通の課題を抽出。それをもとに平成24年度は事業・業務の総点検ワーキングを実施。

 ・経常収支比率95%以下、将来負担比率200%以下
 (クリーンセンターや斎場の立替で大きな起債が見込まれており、大幅な改善は難しいが、少しでも改善していきたい。23年度204.0%、24年度196,5%と、少しずつ下がってきている。) 
 ・職員数2916人
  (来年度に達成見通し)

  • これからは財政的な失政は許されないと、新人職員にも話している。人口減少時代の中で、行革は今後もずっと取りくみ続けなければならない課題。


政経営課のみなさま、お忙しい中、丁寧なレクチャーをありがとうございました。
この報告は、その3「質疑応答と意見交換」に続きます。

*1:過去の奈良市行政改革の取組については、(平成15年度以前)奈良市のホームページに掲載されています。http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1316072328692/index.htm

*2:奈良市の財政状況については、例年、「奈良しみんだより」の11月号に掲載されています。http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1382666776125/index.htmlまた、財政課のホームページに「わかりやすい予算書」、「わかりやすい決算書」、「財政健全化4指標」などが掲載されています。http://www.city.nara.lg.jp/www/genre/0000000000000/1000000000434/index.html

*3:「人件費や扶助費など経常的に必要な経費が、市税などの普段の収入に占める割合を表す指標です。数字が大きくなると財政が硬直化し、新事業に充てる財源が少なくなります。(中核市順位 41市中41位)
」(奈良しみんだより平成24年度11月号より)

*4:「第5次奈良市行財政改革大綱」http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1335145208127/index.html奈良市政経営課)

*5:「事業・業務の総点検」の結果報告http://www.city.nara.lg.jp/www/genre/0000000000000/1320802767301/index.html(奈良市政経営課)