『『自治体再建―原発避難と「移動する村」』

nara_mirai2014-03-11


会員の室さんより、本の紹介です。自治自治体の根幹を問う1冊。
手に入りやすい新書です。ぜひ、手に取ってお読みください。




 知人の今井照福島大学教授が『自治体再建―原発避難と「移動する村」』ちくま新書、880円+税)を発刊されました。


 江戸時代の人の集合体である村から説き起こし、原発を主とする東日本大震災の被災地をつぶさに調査され、改めて自治とは何か、住民とは何か、自治体とは何かについて根源から考察され、帰還でも移住でもない第3の道として「二重の住民登録」を提起しておられます。


 私たちは被災地の市町村行政と職員はなすすべもなかったのではないかと思いがちですが、不十分とはいえ救済など必死に頑張っている状況が分かります。逆に政府や県が頑張ったのではないかと考えがちですが、いやな言い方ですが下から被災地の情報が上がってこないと、適切な対応ができていない、上からの一方的な指示や画一的な枠組みに沿ったことしか補助しないという状況もわかります。


 大規模災害を受けて改めて自治体のあり方など考える労作であり、私たち自治体に関心を持つ者にとって貴重な機会だと思います。皆さんも手にとって見られたらいかがでしょうか。


「なら・未来」会員
室 雅博 (むろ まさひろ)