「なら・未来」10月例会 議事録
1. 開催概要
- 内 容:
○基調報告「小学校区の地域自治を進めよう」
中口 則弘さん(佐保台地区自治連合会長、奈良市自治連合会副会長、
奈良市自治連合会地域自治協議会検討委員会委員長 他)
○フリーディスカッション
コーディネーター 木原 勝彬さん(ローカル・ガバナンス研究所長)
- 参加者: 34名(会員以外の参加者多数あり)
2. 概要報告
1)自治連合会の活動概要
○組織の内容
・佐保台地区自治連合会は、6単位の自治会ならびに3つの団体で組織され活動。
・当地区は、30数年前に開発した新興住宅地域で、旧市内の地域事情とは異なる。
組織としては、各自治会の会長と副会長(6自治会)の2名に加えて、佐保台地区自主防災防犯協議会、社会福祉協議会、ふる里まちづくり実行委員会の役員計14〜15名で構成。佐保台地域の団体として、他に万年青年クラブ連合会、グリーンサポートボランティアクラブ等の団体もあるが自治連合会傘下に加わっていない。
○主な活動内容
・定例会議/毎月第4土曜日午後7時から
・事業活動内容/
①ふる里まちづくり事業 〜この地を自分たちのふる里として作り上げたいことから実施することとした。
主なものは、「とんど焼き(1月)」、「佐保台夏まつり(8月)」とくに会場地として小学校の校庭を使用することについて学校側から疑義があったが、理解も進み、住民も期待感が増すなど、地域、学校にとっても良い事業となっている。
これら事業実施では、経験者や知恵を保有する人たちが多くいて、事業実施に貢献され、活用できたことは双方にとって有意義。
②子ども育成事業 〜昨年から始めた、子ども達の発展を願って
「リニア教室」行政の協力もあって駅誘致などもあり昨年から開催
その他、子ども連合会主催のイベント等に、行事に後援、協力
③防災・防犯活動 〜当地域の自主防災防犯協議会と協働し、「登下校時のパトロール」、「路上駐車防止の啓発パトロール」、「防災・防犯の訓練と講習会・研修会」などともに「災害時の要援護者への支援」も実施しているが、個人情報の問題でリストアップなど困難であったが、近時には行政から名簿を寄託された。
④佐保台地域ふれあい会館の指定管理者 〜活動拠点でもあり施設の自主管理・運営
会館の有料利用も認められ、自分たちの会館としての意識が芽生えた
○課題は?
①少子高齢化が進む佐保台
高齢化が顕著で、少子化もこれからの課題(佐保台幼稚園の閉鎖)、空家率も増加
②住宅開発地域の問題
店舗等の生活利便施設がない、生活インフラが老化するなどの課題(買い物難民)
③JR平城山駅への段差問題(登下降がきつく、エスカレーター等の設置要望)
④防犯カメラ設置したいが管理運営が問題。
2)佐保台地域自治協議会の設立に向けて
○地域ミーテイングの実施
・地域自治協議会設立のための「地域ミーティング」を実施、これは小学校単位の連合会で実施することとして、市長もこれまでのような単なる市への要望、依頼ではなく、自らの地域の課題や問題点を洗い出し、その改善・解決を見いだすための協議会としてその推進を図るべきと云っている。
・佐保台も各種団体の代表30数名(幼、小の園長、校長も入る)が集まって、どんな方向に持って行くか、当地域で自慢できること、課題や問題点を出して貰った。これによって各種団体の考えていることが理解され、28種の課題と10項目の自慢できる点が出た。これらの中から3点に絞って、行政に示すこととした。
○地域自治活動協議会設立への検討
・奈良市市民参画及び協働によるまちづくり条例の施行により「地域自治協議会」設立に向けて検討が開始され、検討委員会が発足。
奈良市自治連合会としても勉強を始めた(2月に中間報告を市長に提出)、今年度はそれを集約して、12月にはモデル地区をスタートさせる予定 ➜3地区程度
・ただ、連合会と行政(庁内)の進捗状況には差違を感じている。
○課題は、地域住民の合意形成
・スタートしたときには、信頼できる協議会として認められるかが合意形成だと思う。
ただ、スタート時には地域課題の解決など含めて、多様なお金の問題が発生するのでこれもまた難しいと思っている。
3. フリーディスカッション(進行 木原氏)
(木原)住民の合意形成は重要な視点、どんな方法でやるのか?
(中口)地域ミーティングを発展させていきたい、未加入の人たちへのアプローチが問題。
自治連合会便りに意思表示をしているので、これを中心にやっていかざるを得ないが反応はない。行政からも呼びかけをしてもらうことなど必要と考えている。
(木原)どんなメリットが有ると説明するのか、どんな問題があるかなども含めて、どのように訴えているか。
(中口)これが一番難しい。説得するためには行政の支援サポートが欠かせない。担保して貰うことが必要だが、それが難しい。団体の長も、これ以上市のお手伝いをすることが苦しいとの意見もある。
(林会員)出てきた意見に市がどれだけ真剣に対応して貰らうかが大切。行政と一緒に育て上げる姿勢が必要、金がないから出来ないということも問題。お互いに育て上げていくという姿勢が大事。
(奥田会員)エスカレーターの設置だが、5mの高さで2,500万円、30mの高さで2億円弱が必要。エレベーターだと5Fで500万円、費用対効果の問題でそうした考え方も必要、
維持管理費の問題もあり、市と双方協力してやっていければ。
(宝塚市)地域ミーティングも宝塚市も地区計画を作れと云われて作った。それを市は、総合計画に盛り込んだが、市は金がないとして動かない。仕組みがきちんと整っていなければ機能しない。
住民自治協議会は非情に重要な視点。背景にあるのは住民自治のコンセプトがあり、宝塚はまちづくり協議会、奈良市は自治協議会だからこうした点をきっちり訴えて意味のあるものにしていかなければ。
(中口)行政はモデル地区を立ち上げて欲しいと云っているが、具体的な予算も付けていないので、担保されているかは分からない。
(六条自治会)住民の方に協議会の内容をきっちり説明して配布したが、近所の人に見たと
聞いても殆どの人が読んでいない。こんな状態でどのように必要性や内容を理解して頂くか、またどの段階で周知するかなども教えて欲しい。
(中口)そのとおりで地道にやる以外にない。面倒だが繰り返しねばり強く発信していくことしかないのでは。
(木原)結局のところ、奈良市の基本姿勢が定まっていない。ほんとに地域自治協議会が必要で奈良市として、この推進を積極的に推し進めるという覚悟もないし、この組織を通じて理想とする住民自治を実現して市の発展につなげるという根本的な意思形成がトップ、市の職員にもみられないことが問題。
4. 連絡事項
- 今後の予定について
① 11月9日 ローカルマニフェスト議員連盟奈良勉強会が奈良市で開催される
塩見生駒市議より参加の呼びかけ
② 12月6日 なら・未来市民会議が奈良市ボランティアセンターで開催
③ 12月20日 地域自治を考える市民フォーラム きらっ都・奈良
(文責 梅屋)