「議会改革フォーラム〜『市民の議会』をめざして〜」を開催しました。

8月21日(日)、奈良市・ならまちセンターで、政策研究ネットワーク「なら・未来」主催による「議会改革フォーラム〜『市民の議会』をめざして〜」を開催しました。新聞各紙に告知していただいたこともあって、なんと100人近くもの方が参加。
集客力のなさでは定評のある(?)「なら・未来」としては異例の盛況でした。





その一番の要因は、何といっても奈良市出身で自治体議会改革問題の第一人者・廣瀬克哉 法政大学教授が基調講演とコーディネーターを引き受けてくださったこと。
歯切れの良い話しぶりで、議会改革の全国的な動向や必要性について説明されました。


廣瀬先生によると、2010年度末で議会基本条例を制定した自治体は167に上り、議会改革の流れが加速する一方、市民の議会に対する関心は右肩下がりという現実があるようです。
また、この8月から施行された改正地方自治法では、議員定数の上限が撤廃され、基本構想(総合計画)の策定義務も廃止されるなど、自治体が自己責任で自らの自治体のあり方を決定していく時代になったとのことです。

今後の自治体議会に対しては、「議員間の討議を尽くして意思決定すること」、「政策情報の提出義務づけや理事者への反問権付与で議論を活性化すること」、「住民との意見交換会や議員同士の政策討論会などで議会ならではの政策立案をすること」などを求められました。





パネルディスカッションでは、議会改革のトップランナーである三重県伊賀市議会の安本美栄子議長、天野秀治奈良市議(奈良市議会議会制度検討特別委員会副委員長)、元奈良市まちづくり市民会議有志の会の井上雅由代表、「なら・未来」の北井弘副代表幹事がパネリストとして登壇。


安本議長は、合併に伴う議員の在任特例をめぐる市民の批判などを背景に議会改革が進められたことなどを説明。議会報告会や政策討論会の開催など、伊賀市における改革の取り組みについても具体的に示していただきました。

天野議員は、自らが委員長を務めた総合計画特別委員会の取り組みを例に、条例を作らなくても様々な議会改革が可能であることを指摘。また、議員はもっと外の世界を見ないと奈良市議会の問題点に気づくことさえできない、と語りました。



井上さんは、「仕事の都合をつけて議会の傍聴に行っても、時間どおりに議会が開かれず、何時に始まるのかさえ連絡がない」など、非常識な議会運営を批判し、透明性の高い議会を実現してほしいと要望しました。

北井副代表は、他の中核市と比べた奈良市議会の改革度について報告するとともに、「通常の議案を常任委員会に付託せず、きちんとした審議もなしに採決しているのは極めて異例」と指摘しました。



会場からもたくさんの質問や意見が寄せられました。本フォーラムの詳しい(議論の)内容については、報告書を作成中ですのでホームページで改めてお知らせいたします。

また、このフォーラムをきっかけとして、市民側からもアクションを起こしながら議会制度検討特別委員会と連携しつつ、「市民の議会」の実現をめざしていきたいと考えています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。